「なら燈花会」とは 起源やボランティアなど「コツ」も解説

 なら燈花会とは、毎年夏に開催されるロウソクの灯りを楽しむイベントです。なら燈花会は多くのボランティアによって支えられており会期に近づくとその募集があります。なら燈花会は奈良公園周辺の複数の会場で開催されます。


 この記事の内容は2019年以前の開催内容を基準とし、例年の傾向をまとめたものです。イベントは開催毎にその内容がことなる性質があるものですので、ご来場の際にはその年の開催内容について公式媒体にてご確認をお願いします。

 この記事で掲載している写真は2019年に撮影したものです。ロウソクの並べ方は毎年異なる会場もありますのでご留意ください。


2019年春日野園地会場
2019年春日野園地会場

なら燈花会 とは

概要

 地面に並べられたカップに入ったロウソクの灯りを楽しむ夜間開催の観光イベント

主催

 特定非営利活動法人なら燈花会の会

開催時期

 毎年8月 お盆前の10日間程

会場

 奈良公園界隈

料金

 入場無料(一部有料プログラムあり)

アクセス

 近鉄奈良駅下車徒歩5分(興福寺会場)ほか、各会場付近のバス停

 >>奈良公園のアクセス

駐車場

 指定の駐車場は無し。(周辺に民間駐車場あり。)

 >>奈良公園周辺の駐車場

◎筆者からのコメント◎
 1999年から始まった1300年の歴史がある奈良にとっては新しいイベントですが、夏の奈良の「一大風物詩」と言えるイベントになりました。

奈良公園で開催される「灯り」のイベント

奈良公園と周辺社寺で開催

 奈良の夏の一大風物詩「なら燈花会」は奈良公園とその周辺の社寺など(東大寺、春日大社、興福寺、国立博物館、奈良春日野国際フォーラム甍)で開催されるイベントです。会場により開催日が異なる場合がありますので公式サイトにて要チェックとなります。

灯されるのは「本物の火」

 一部の装飾を除き「なら燈花会」で会場を彩っている「灯り」は、本物の火。地面に並べられたカップの中で、水にロウソクが浮かんでいます。

◎筆者からのコメント◎
 本物の火を使用したイベントです。主催者からアナウンスもありますが設置してあるカップには手を触れないようにしましょう。また、小さなお子様を連れてのお出かけの際には注意が必要かもしれません。

平城宮跡「平城京天平祭・夏」でも開催

 2010年以降は同じく夏の奈良の観光イベントである「平城京天平祭・夏」(天平祭は春、夏、秋に趣向を変えて開催)でも、その企画の一つとして「燈花会」が開催されています。

冬は別イベントの「なら瑠璃絵」

 「なら燈花会」とほぼ同じ場所で開催される冬のイベントは「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」です。奈良公園周辺3社寺の夜間拝観を光のアートと共に巡り、国際フォーラム甍の庭園では瑠璃色をイメージしたイルミネーションが展開されるイベントです。

>>なら瑠璃絵公式サイト

奈良公園界隈の複数会場で開催

 「なら燈花会」は奈良公園周辺の複数の会場で開催されます。

 尚、写真や開催内容は2019年の様子です。カップの並べ方は毎年異なる会場もあります。

興福寺会場

 ライトアップした五重塔と共に鑑賞できる会場です。(開催時間が他の会場と異なる場合があります。)

猿沢池会場

 興福寺五重塔や、池に反射した灯りを鑑賞できる会場です。

浮見堂会場

 池に浮かぶ浮見堂がシンボリックな会場です。(会場内が一方通行規制となる場合があります。)池畔にある貸しボート店(イベントとは関係ない)も夜間営業をする傾向にあります。

浅茅ヶ原会場

 小高い丘の地形に池などがある会場です。立体的な電飾が登場する年もあります。

浮雲園地会場

 「なら燈花会」のメイン会場。毎年ほぼ変わらない配置で奈良の新たな伝統を作る会場です。

奈良春日野国際フォーラム甍会場

 演出が年によって変化することもある遊び心がある会場です。

春日野園地会場

 広大な園地を利用し、年によって配置が異なることもある会場です。

国立博物館会場

 ライトアップされた国立博物館の建物や池畔に並ぶロウソクを楽しむ会場。

東大寺参道/春日大社参道

 日によって、東大寺参道や春日大社参道にもロウソクの灯りが灯ります。

◎筆者からのコメント◎
・日が近づくと公式ウェブサイトや、当日は会場にて会場のマップが配布されます。各会場を巡ることができるモデルートの記載がありますので、それ通りに巡ることをオススメします。(場合によって一方通行規制で歩行者が誘導される場合もあります。)
・会場はすべて徒歩圏内にありますがその範囲は広大です。

燈花会の起源は1999年からの観光イベント

燈花会は1998年から

 「なら燈花会」はその様子から「奈良の伝統行事」のように見えますが、1999年から開催されている観光イベントです。同じ1999年には「平城遷都祭」(=2011年開催より春の「平城京天平祭」に改称)、「バサラ祭り」も初開催され、現在の奈良の観光イベントの礎になった年と言えるでしょう。

こちらは伝統行事

 同じ時期に燈花会会場と同じ「奈良公園エリア」で開催されるこちらは、伝統行事でり宗教行事です。

▶東大寺「万灯供養会」(8月15日)

▶春日大社「中元万燈籠」(8月14日~15日)

 主催や目的が全く異なりますので、混同には注意した方が良いでしょう。

ほぼ「ボランティア」で支えられている

 「なら燈花会」は事務局や警備などの一部専門的な役職を除いて、ほぼ「ボランティア」で成り立っているイベントです。

 

 日頃より主催団体の会員として、修学旅行向けの「体験燈花会」の開催や、本番に向けての企画や準備、当日の会場運営の中枢となるボランティア。

 そして、開催当日に主催団体会員からのレクチャーを受け、点火、消灯を行う「灯人サポーター」と呼ばれるボランティアの2種類があります。

◎筆者からのコメント◎
  比較的気軽に参加できる「灯人サポーター」は開催数か月前から公式サイトにて募集があり、当日はロウソクを入れるカップを並べたり、点火、消灯を行う役目となります。配置場所や当日の様子にもよりますが、場合によっては点火後から消灯までの間は会場を見学できる時間もあり、「見る以上に楽しみたい」場合にはピッタリの内容です。尚、灯人サポーターは「スタッフ」よりも「参加者」としての傾向が強く「イベント運営をしたい」場合は物足りないと感じるかもしれません。

当サイト流 楽しむ「コツ」

2019年浮雲園地会場
2019年浮雲園地会場

 当サイト筆者が考えた「なら燈花会」を楽しむコツをご紹介します。

 

◎筆者からのコメント◎
 ここからは、筆者の主観ではありますが、筆者的な燈花会の楽しみ方をお伝えします。

基本的な楽しみ方

 「なら燈花会」は暗闇にあるロウソクの灯りがある複数の会場を見物しながら見回るイベントです。各会場の趣向を凝らした灯りを楽しみながら、会場ごとの違いや、自分ならではのフォトジェニックポイントを楽しむ事もオススメです。

 来場者も灯りをともすことができるコーナー「一客一燈」(ロウソク寄付金代要)もあり、見物だけでは満足できない方はこちらもオススメです。

ルールを守る

 「なら燈花会」では主催者よりいくつかのルールが設定されています。主なルールをピックアップすると、

▶三脚、一脚、ドローンを使用しない

▶立ち入り禁止エリアの設定

▶カップ(ロウソク)に触らない

などがあります。詳細は公式サイトや会場での案内をご覧ください。

 

 尚、使用されいるのは本物の火です。小さいお子様が触ってしまったりすると危険ですので配慮が必要です。また、故意に消す事もご法度です。

あれば良いもの

▶公式ガイドマップ

 会場などで配布されているガイドマップには、その年の「なら燈花会」を楽しむ情報が満載です。当サイト筆者オススメとしてはガイドマップに記載されてある順路通りに巡ることがオススメです。

 

▶懐中電灯

 会場は公園の電灯を消し、ロウソクの灯りのみの部分もあります。懐中電灯の「つけっぱなし」は演出の妨げになりますが、会場周辺も含めてふとした時の灯りとして持っておいた方が良いかもしれません。

 

▶肌が見えない安定した靴

 上記の通り、会場内は非常に暗くなるほか、沢山の観客や、一部未舗装で凹凸がある奈良公園の路面があり、サンダルや下駄でははっきり言って「危険」と言えるほどです。会場を周る際は運動靴など履きなれた安全な靴での来場がオススメです。

 

▶ゴミを入れる袋

 奈良公園にはゴミ箱がありません。周辺店舗や主催公式の露店で飲食物を購入し、離れて移動する場合は発生したゴミを入れる袋があると便利です。

オススメの時間帯、日

▶夕暮れもオススメ

 奈良公園の暗闇の灯りを楽しむイベントではありますが、トワイライトの夕暮れもオススメです。点火時刻には点火作業も拝見することができます。(点火作業は見物を前提としたアトラクションではありません。)

2019年浮雲園地会場
2019年浮雲園地会場

▶混雑を避けた平日

 「なら燈花会」は会期10日間で90万人が訪れるイベントです。土日やお盆休みの平日は非常に混雑をしますので、何でもない平日がオススメです。それでも普段の奈良公園からは想像できない人出となります。