「阿修羅像」や「五重塔」がある世界遺産「興福寺」の見どころをできるだけ簡単に、初心者向けの要点をまとめました。東金堂や南円堂、中金堂などの見どころをチェックして興福寺にでかけよう!
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▶概要:「興福寺」は奈良公園エリアの一角をなす寺院で「阿修羅像」や「五重塔」が特に有名です。
▶指定/登録
・ユネスコ世界文化遺産「古都奈良の文化財」
・史跡「興福寺旧境内」
・名勝「奈良公園」
・国宝、重要文化財 複数
▶有料の場所は主要施設に限られ、境内の入口は四方各所にあり自由に散策ができます。
▶隣接する奈良公園や奈良公園エリアにある東大寺、春日大社などと一体的な観光が可能です。
▶見どころが複数あり一部共通券の販売がありますが、目的や滞在時間によって境内の訪問場所を選ぶこともポイントです。
【創建】
創建は藤原鎌足と夫人による現在の京都市山科で私邸に築いた寺を、藤原京へと移転し、平城遷都と共に藤原不比等が氏寺として興福寺を建設してものです。不比等亡き後も境内の整備は続けられました。
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【南都焼討】
平安時代後期には当時の興福寺は僧兵をかかえ力を蓄えます。次第に平氏との混乱に巻き込まれて行くこととなります。結果として「南都焼討」により被災してしまいます。
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【廃仏毀釈】
興福寺は何度も消失に見舞われ、その度に再建を繰り返してきた歴史があります。その中でも大きな出来事として「廃仏毀釈」があります。それまでは神仏習合の思想により、藤原氏の氏神である春日大社と一体となりましたが、明治の時代の波がやってくることとなり境内は荒廃します。五重塔も破格で売り出されたという逸話も残っています。
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【復興】
平成になり奈良時代の姿を目指し「興福寺境内整備構想」が策定されました。発掘調査などを経て中門と回廊、南門の基壇が復元されました。中でも「中金堂」は6度の焼失と再建を繰り返しましたが、2018年に創建当初の規模で再建されました。
▶現在も信仰がある宗教施設です。
観光レジャー施設ではありませんので参拝マナーを守りご参拝ください。
▶貴重な文化財の宝庫です。
▶境内に「奈良の鹿」が生息しています。
長く続く塀や大きな門は無く、奈良公園界隈を歩いていれば「気が付けば興福寺に入っている」といった様相です。中金堂を中心に東西のおおよそ見える範囲に中枢の施設が集まっていますが、その建物のどれもが大きく、それに似合う面積を持った境内となっています。
<奈良の代表的な景観>
●修理工事のお知らせ●
修理工事のため2023年7月より素屋根の設置工事が始まり、工事が進むにつれ姿が見えなくなります。工事の完了は2031年に予定されていますが、変更となる場合があります。
▶歴史:奈良時代の創建より存在していましたが、現在の塔は室町時代のものです。
▶建築:高さは50.1mでこれは奈良市内で一番高い近代ビル建築である「ホテル日航奈良」が入るビルよりも背が高いです。
◎公開情報:外観の拝見は自由。特別公開時を除き内部は非公開。
<迫力のある厳か。お堂で拝む、いにしえの仏様>
●拝観休止のおしらせ●
隣接する「五重塔」の工事の影響で2023年6月12日より当面の間、拝観が休止されます。
▶歴史:奈良時代に聖武天皇の叔母の病気回復を願い建立されました。現在の建物は室町時代のものです。
▶美術:薬師如来坐像、日光・月光菩薩立像と共に十二神将立像、四天王立像、文殊菩薩坐像、維摩居士坐像など、重要文化財・国宝の仏様が安置されています。
◎公開情報:外観の拝見は自由。内部は有料公開。
<天平時代を感じる平成再建の空間>
●●2023年4月現在非公開。(特別公開時を除く)●●
●拝観再開のおしらせ●
2023年6月17日より当面の間、拝観が再開されます。拝観休止日は未定です。
▶歴史:6度の焼失、再建を経て2018年に再建された建物です。先代の建物は江戸時代の仮の再建で長期間の使用を想定しておらず老朽化により解体されました。
▶建築:今、見られる建物については発掘調査や文献の調査、他の建物の調査を経て奈良時代の創建当初の姿として復元されました。
▶美術:中金堂の再建に合わせて修理された江戸時代の本尊「釈迦如来坐像」の周囲には、国宝の四天王像などの仏様が安置されています。
◎公開情報:回廊跡基壇より外観の拝見は自由。内部は有料公開。
<西国三十三所霊場>
▶歴史:消失を繰り返し、現在の建物は江戸時代のものです。
▶建築:朱塗りが特徴の八角形の建物です。
▶美術:堂内には国宝「木造不空羂索観音菩薩坐像」他、国宝の仏像が安置されていますが通常は公開されておらず10月17日の大般若経転読会の時のみに開帳されます。
◎公開情報:外観の拝観は自由。建物の外より無料で手を合わすことができるが内部は見ることができない。内部は10月17日を除き非公開。
<阿修羅像を始めとした、数々の国宝に出会う博物館。>
▶美術:この地にかつて存在した「食堂」に安置されていた千手観音菩薩や阿修羅像など数々の国宝にしていされている仏像に出会う事ができます。特に阿修羅像は、日本各地の博物館で多数の人々を呼び寄せた興福寺仏教美術のシンボルでファンクラブまで存在し、その美しさで人々を魅了します。
▶建築:昭和時代に建設された建物ではありますが、旧食堂の遺構を保存し奈良時代当初の外観を再現している建物です。
◎公開情報:有料公開。
<現存する興福寺で最古の建物の一つ>
▶建築:鎌倉時代に再建され、興福寺境内の中で現存する最古の建物の一つです。
◎公開情報:通常非公開。7月7日に特別開帳。
(クリックで拡大と詳細)
▶境内散策…無料
▶有料施設
・東金堂
・中金堂
・国宝館
・その他特別公開時の諸施設など
▶境内散策…24時間開放
・敷地内へは完全に管理ができるゲートは存在せず24時間出入が可能という意味です。
・境内には街灯が設置されてありますが、夜間の拝観を目的に何らかの用意がなされているものはありません。
▶開館時間がある施設
・拝観料が必要な施設と南円堂横の受付や休憩施設など諸施設
◎五重塔、三重塔、南円堂は、外観の拝見は自由ですが、内部については通常非公開です。
◎北円堂、大湯屋、仮講堂は、建物の近くには立ち寄れません。
「興福寺」は「奈良公園」と周辺の一体的に観光が可能なエリアを構成する一つです。
【徒歩】
近鉄奈良駅から:300m(国宝館北側入口まで)
JR奈良駅から:1000m(南円堂南側入口まで)
【路線バス】
・奈良交通バス
「県庁前」下車徒歩すぐ
・ぐるっとバス
「県庁前・奈良公園バスターミナル」下車すぐ
・直営駐車場はありますが、土日などは満車となる傾向があります。