猿沢池は奈良公園にある池です。世界遺産「興福寺」の南側にあり「ならまち」の入口とも言えます。この猿沢池には七不思議や伝説の舞台となっています。現在では興福寺五重塔のライトアップも映えるスポットで、スタバの開業でおしゃれスポットの仲間入りをしています。
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近鉄奈良駅からも程近く興福寺の南側、三条通りの商店街が終わった場所に「猿沢池」があります。興福寺の瓦の材料として粘土が採られた場所が池となり、かつては興福寺の放生池だったと伝わりますが、現在は都市公園「奈良公園」の一部として奈良県が管理されています。
約350mの池の外周は一周を歩けるようになっており南西にはベンチなどが設置されています。
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この猿沢池から興福寺側が「奈良公園」のエリア、猿沢池から南側が「ならまち」のエリアとなるちょうど境目に位置しています。詳しくは後に述べますが奈良公園、ならまちどちらのイベントにも活用されるなど奈良の旧市街の中心部と言えるでしょう。
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室町時代に出現し江戸時代に盛んに登場した「南都八景」にも「猿沢池の月」として選ばれています。古くから景勝地として親しまれてきたことがわかります。
猿沢池には「猿沢池の七不思議」が有名です。
「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」
それぞれの解説については奈良公園の公式サイトである「奈良公園クイックガイド」に詳しくありますので、リンクにてご紹介します。
>>奈良公園クイックガイド『猿沢池の七不思議( `ー´)ノ』http://nara-park.com/%E7%8C%BF%E6%B2%A2%E6%B1%A0%E3%81%AE%E4%B8%83%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0-%EF%BD%80%E3%83%BC%E3%83%8E/
猿沢池には帝との非恋で身を投げた采女の伝説があり、その采女の霊を治める采女神社の存在や、毎年中秋の名月に行われる「采女祭」が行われています。
猿沢池の北側にある興福寺の五重塔が毎日ライトアップされています。猿沢池ともマッチした景色は古都を感じる奈良の夜景スポットです。
※興福寺五重塔は修理工事のため、ライトアップは終了しました。※
猿沢池の南西にはベンチが7脚設置してあり昼は休憩スポットとして、夜はカップルのスポットとして機能しています。
猿沢池南東にあるトイレとデッキを越えた先には、数少ない奈良公園に近いコンビニがあります。
猿沢池の西側には「スターバックス」が新たにオープン。世界遺産を借景におしゃれな空間が広がります。
※開催日や内容は例年の傾向を記載しています。おでかけ前には公式情報のご確認をお願いします。
▶「放生会」
・4月17日 興福寺主催
・捕えた生き物を放す仏教の行事で従来は金魚を猿沢池に放す伝統行事です。2020年からは生態系保護の流れから近畿大学の学術調査で捕獲された魚類のうち在来種のみを放流するように変更されています。
▶「采女祭」
・中秋の名月 采女祭保存会(観光協会内)
・天平装束をまとった行列が三条通りや商店街の通りを巡ったのち、猿沢池に管絃船が浮かべべられます。近年ではこの船に行事以外のタイミングで乗船できる取り組みも行われています。
▶「なら燈花会」
・8月5日~14日 NPO法人なら燈花会の会
・奈良の夏の一大イベント「なら燈花会」の会場のひとつとなります。猿沢池北側の斜面に並べられたロウソクの灯りがライトアップされた興福寺五重塔とマッチします。
▶「ならまち遊歩」
・8月下旬 ならまち遊歩実行委員会
・興福寺の南側に広がる「ならまち」の街歩きと軒先に釣られた提灯の光景を楽しむイベントです。毎年猿沢池にも提灯が設置され興福寺五重塔との景色を楽しむことができます。
奈良公園クイックガイド『猿沢池の七不思議( `ー´)ノ』http://nara-park.com/%E7%8C%BF%E6%B2%A2%E6%B1%A0%E3%81%AE%E4%B8%83%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0-%EF%BD%80%E3%83%BC%E3%83%8E/
森下惠介『今昔 奈良名所』奈良新聞社,2017年
小倉つき子『ドラマチック奈良 昔むかしをつぶさに歩く』京阪奈情報出版株式会社,2010年
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