話題の「朱雀門ひろば」や世界遺産「平城宮跡」を含む「平城宮跡歴史公園」は入園、入館は全て0円で楽しむことができます。「何にもない」場所をわかれば奈良時代が見えてくる平城宮跡の見どころを散策視点でご紹介します。
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平城宮跡/平城宮跡歴史公園は入園無料、また園内各地にある施設は全て入館無料です。
▼有料の場合
朱雀門ひろば交通ターミナル内駐車場への駐車、奈良めぐり平城宮跡前駐車場への駐車、レンタサイクル、売店などでの購買、レストランでの食事、有料の体験プログラムなどへの参加などが有料となります。
平城宮跡/平城宮跡歴史公園の最寄り駅である「大和西大寺駅」や、奈良公園方面・近鉄奈良駅方面からは観光客向け100円バスの「ぐるっとバス 大宮通りルート」があり便利にアクセスすることができます。
アクセスについての詳しい情報は以下のページをご覧ください。
>>平城宮跡の駐車場
平城宮跡は奈良時代にあった宮殿「平城宮」の跡地です。「平城宮」は奈良時代の首都である街「平城京」=街の北の端にありました。
「朱雀門」を越えた先にある「平城宮」では国家としての役所機能の他、天皇の儀式を行う場所、天皇の住まいがありました。現在に置き換えると皇居と官庁街と言った様子でしょうか。
日本の都が平城京から長岡京(その後平安京)へ移ると「平城宮」の跡地は田畑へと姿を変えていき人々から忘れされてて行きました。その後、江戸後期から大正時代を中心とする平城宮の場所の確定と民間人による保存運動の結果、現在ではその大部分が保存され、公園用地の地下に奈良時代の遺跡が残されています。
今、目にすることができる朱雀門などの建物は考古学研究に基づき平成以降に復原されてた建物です。平城宮跡の地下には柱の跡や基礎となる石、奈良時代の文章が読み取れる木の棒などが土の中にある文化財=「埋蔵文化財」として今も眠っています。順次発掘調査が続けられていますが、その広さゆえ全てを調査するにはまだ時間が必要です。
先で解説したように、平城宮跡は地中にある遺跡を保護するために存在している公園です。奈良時代の建物はこの地には全て失われ、現在は広い公園内に復原建物や展示施設が点在しています。それ以外の場所は基本的には草地であり、地中の遺跡を保護しています。
広い公園内のところどころにある復原建物や展示施設を草地の中に通された園路を歩いて巡ります。しかし約35万人の人口を抱える中核都市のど真ん中にこのような自然があふれる景色も、また稀であり自然環境や広い空を感じられる平城宮跡独特な空間を楽しむのも魅力の一つです。
広い公園内の復原建物や展示施設の配置状況は次の項目の通りです。
平城宮跡は甲子園球場が約30個分程度の面積がある巨大な公園です。ある程度の計画を立てて散策をしないと大変なことになります。
※バス停についてはアクセスの記事をご覧ください。
平城宮跡内にある施設はそれぞれ5つの団体がそれぞれ管理しています。管理団体により定休日や運営時間が異なりますのでご注意ください。
この記事では、このルートに沿って各施設をご紹介します。
※バス停についてはアクセスの記事をご覧ください。
<船あり、カフェあり、土産あり。朱雀門ひろばの門前施設!>
「朱雀門ひろば」は2018年にオープンした施設群の名称です。カフェや展望台、シアターがある場所です。
▶天平みつき館
休憩スペース
▶天平うまし館
飲食店、お土産物店、遣唐使展示
▶天平みはらし館
展望台、VRシアター
▶復元遣唐使船展示
遣唐使の船の復原
▶天平つどい館
団体集合場所
▶平城宮いざいない館
ガイダンス施設
▶朱雀大路
奈良時代の道路の復原
▶二条大路
奈良時代の道路の復原
<まずはココから!「平城宮跡」とは何か?を知るガイダンス施設>
(朱雀門ひろば内)
【ジャンル】:展示施設(ガイダンス施設)
【概要】:平城宮跡の平城宮の概要、奈良時代の様子、平城宮跡の現在、資料研究・保存に関しておおまかに4つの部屋に分かれる。平城宮跡の概要について知ることができる国土交通省による展示施設。
【みどころ】:平城宮跡歴史公園の概要の展示、平城宮の模型、当時の仕事がわかるコーナー、出土品の展示、保存に関する解説
【ジャンル】:便益施設
【概要】:公園利用者向けのシャワー室や貸自転車サービスがあるほか、展望デッキや、VRシアターでは往事の姿を知ることができる映像作品が上映される観光客向けのサービスが揃う奈良県による施設
【みどころ】:平城京VRシアター、展望デッキ
<復原された「平城宮」の正門。この門の先が平城宮跡。>
【ジャンル】:復原施設(平成時代復原)
【概要】:平城宮の正門。この門をくぐれば平城宮の中だった。1998年に復原。文化財の復原であり公園のゲートとしての機能はない。通り抜けができる。
朱雀門の北側には「近鉄奈良線」を渡る踏切があります。遺跡の中を鉄道が通過する珍しい光景ですが、現在鉄道が走る部分が遺跡であることが発見されたのは鉄道開通後の事です。また、この地が宮殿であった期間より、鉄道が走っている期間の方が長いという歴史もあります。
朱雀門北踏切は公園利用者用踏切で利用時間が限られています。詳しくは現地の案内をご確認の上、閉鎖後は約200m東にある別の踏切を利用することになります。
奈良時代の役所の一つであった第一次朝堂院を盛り土や広場で表示してあります。従来は建物の規模を示すよう基壇を盛り土で表現してあるのみでしたが、国交省による公園整備の一貫として建物間の空間の整備が行われ、朱雀門から第一次大極殿までを、その広さを体感するとともに移動できるようになりました。
<奈良文化財研究所による発掘・研究の方法と、その成果を展示>
【ジャンル】:展示施設(考古学)
【概要】:平城宮の往事の様子を研究結果を基に、当時の様子を知る模型等で披露するほか、保存研究のあらましやその手法などについて展示する。古くから発掘、研究をする奈良文化財研究所による施設
【みどころ】:平城京の時代が終わり現在に至るまでのジオラマ、役所の部屋の中の実物大模型、宮殿の部屋の中の実物大模型、奈良文化財研究所の仕事がわかる展示
平城宮跡資料館、復原事業情報館周辺は湿地帯や並木道がある自然豊かな環境です。並木道には春には桜や花を咲かす草があり、湿地帯にあるヨシは夏になればツバメのねぐらとなりたくさんのツバメがやってくる様子が見られます。
<復原が進む「第一次大極殿院」の工事の様子を学ぶ>
【ジャンル】:展示施設(復原工事)
【概要】:第一次大極殿院復原工事について、その様子や技法に関しての展示を行っている比較的小規模な展示施設。
【みどころ】:第一次大極殿院の模型、シアター、復原技術に関する展示
<新たに復原された第一次大極殿院の正門。>
【ジャンル】:復原施設(令和時代復原)
【概要】:平城宮の中枢施設である第一次大極殿院を囲む一連の施設の一つとして復原された。門に続く復原のあらましについては近くの「復原事業情報館」にて公開されている。門は通り抜けができる。公園施設として復原されたものであり、公園のゲートとしての役目はない。
第一次大極殿院は平城宮の中枢施設であり、2010年に文化庁により「正殿」が、2022年に国交省により「大極門」(南門)が復原され、続いて国交省による復原事業が行われています。2024年現在は「東楼」の復原事業が実施されています。
院内には加工場や資材保管庫が仮設で設置されていますが、正殿を見渡せる広場は確保されています。また、東楼の復原事業を垣間見ることができる「見学デッキ」も公開されており、復原事業が過渡期となっている今だけの光景を見ることができます。
<復原された平城宮のメイン施設。建物の中には天皇の空間。>
【ジャンル】:復原施設(平成時代復原)
【概要】:奈良時代の前期に存在した平城宮中枢「第一次大極殿院」のメインの建物。平城京ができて1300年になる2010年に復原された。復原建物は免震構造。少々の展示と共に内部見学ができる。
【みどころ】:天皇が座る椅子「高御座」、第一次大極殿正殿復原に関する展示、正殿から見える景色
<基壇や柱の位置を示し、かつての様相を伝える。>
【ジャンル】:遺構表示
【概要】:奈良時代後期の中枢施設が「第二次大極殿」。建物の基礎にあたる「基壇」が復原されています。また、北側にある天皇の住まい「内裏」は柱の場所が植栽によって表現されてる。
【みどころ】:第二次大極殿の遺構表示、第二次大極殿からみた景色、内裏の植栽
<奈良時代の役所を復原して今に伝える。>
【ジャンル】:復原施設(平成時代復原)
【概要】:宮内省と思われる役所跡の遺構を基に復原された建物。近くの遺構展示館に関連する展示がある。
<出土した遺跡の「本物」を見る。>
【ジャンル】:展示施設(遺構展示)
【概要】:発掘され地下から出現した遺構に屋根をかけ展示する施設。本物の遺構を見学するこができる。そのほか、遺構展示館周辺に関する展示を行う文化庁による施設。
【みどころ】:掘立柱建物の遺構の露出展示、内裏の模型、塼=奈良時代のレンガを用いた建物などの遺構露出展示
「遺構展示館」から「東院庭園」へは草地が広がる空間をまっすぐに伸びた道を進みます。
<復元された奈良時代の庭園。特別名勝に指定。>
【ジャンル】:復原施設(平成時代復原)
【概要】:国道24号線のバイパス建設の際に発見された遺構を基に復原された庭園。隣接する建物に少々の展示があり、庭園を1周することができる。特別名勝に登録されている。
【ミナーラ】
東院庭園から田園地帯の方向を見ると、白い色の建物「ミナーラ」を見ることができます。(写真1枚目)小さな踏切を渡り左に曲がった後に高架をくぐると「ミナーラ」に到着します。商業施設ではありますが「奈良金魚ミュージアム」「奈良いきものミュージアム」が入居するなど飲食店と共に平城宮跡周辺の観光を彩ります。
>>ミナーラ詳細
【宮跡庭園】
「ミナーラ」を超えた先には「平城京左京三条二坊宮跡庭園」があり、こちらは特別史跡と特別名勝が重複で指定されている復原された奈良時代の庭園です。
【朱雀門ひろば】
踏切を渡り右に曲がると二条大路(写真2枚目)を経由して朱雀門まで戻ることができます。
>>朱雀門ひろば詳細
【お帰りのバス停】
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