春日山原始林 ハイキング&地図

 奈良市街地に隣接しながらも原始林が残る「春日山原始林」は春日山遊歩道や滝坂の道などを活用したハイキングができます。このページでは春日山原始林のハイキングできる道やみどころをまとめた「地図」もご用意しています。道中には石窟物や鶯の滝などの見どころも。「奈良奥山ドライブウェイ」を活用すれば自動車で訪問することも可能です。


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春日山原始林とは

「春日山原始林」とはこのような場所です。

 

▶世界遺産/特別天然記念物

 春日山原始林は奈良市の都市部に隣接しながらも、原始林の豊かな植生があり、周辺の歴史文化との関係も深い事などが評価され、世界遺産「古都奈良の文化財」の一つとして登録されています。また国においても特別天然記念物に指定されています。

 

▶奈良公園の一部として

 現在は全域が「都市公園奈良公園」として管理され、一体的になっている花山人工林、芳山人工林と共に春日山原始林保全計画(H29奈良県、春日山原始林保全計画検討委員会)が取りまとめられています。

 

▶ハイキングのスポットとして

 春日山原始林の中は遊歩道が整備され、周囲の森林にも点在する史跡巡りもできハイキングが楽しめます。ハイキングを楽しむ上では「天然記念物春日山原始林」の指定範囲及びその周辺の森林にある遊歩道、史跡群全体を指す言葉として「春日山原始林」が用いられています。当サイトでもそれに倣うことにします。

 尚、春日大社境内である「御笠山」の禁足地とは場所と意味が異なります。

春日山原始林のハイキング難易度

春日山原始林の様子

 当サイト筆者が感じた春日山原始林の様子です。

▶木の根が這い、石が転がり、段差がある時には崖沿いの山道です。

▶飲食物を購入をする場所はありません。

▶登山を支援する交通機関はありません。

▶雨天時に対応できる施設はありません。

▶有害な生物が生息しています。

▶トイレや休憩所はところどころに点在する程度で、場合によりかなりの距離があります。

筆者の視点から見る難易度

(筆者は20代男性健脚)

▶原始林の一部を見物した行程(高畑地区→滝坂の道→春日山石窟仏→遊歩道→南部交番所)の約7kmだけでも「かなり疲れを感じる」行程です。

▶場合によっては数時間にわたり誰にも会わない事もあります。

▶一人一人の経験や体力に合わせた計画と、現地での「引き返す判断」を冷静に保ち行動されることをお勧めします。

▶原始林一周(春日大社→若草山→鶯の滝→高畑)は、登山や山道での長距離の歩行に慣れた方でないと困難であると推察します。

▶この記事で紹介している全てのスポットを一度に見て回る事には、登山や山道での長距離の歩行に慣れた方でないと困難であると推察します。

※この記事は間隔をあけての数回の訪問と、ドライブウェイを利用しての自動車でのアクセスをもって取材し構成しています。

 

 よって、登山や長距離の歩行に慣れていない方は、体力に合わせて春日山原始林の一部分だけを選んで、ハイキングを楽しむことをお勧めします。

散策にあたって

 春日山原始林を散策するにあたって筆者が気を付けていることをまとめました。

万全な状態での登山

 奈良市街地に隣接した立地にありますが、登山道周辺には登山者を支援する交通機関がありません。登山道を登ったら登った場所から「歩いて帰る」事も考えた行動が求められます。

◎登山を支援する交通機関はありません。

◎登山道に夜間の照明設備はありません。

山に入る考え・服装で

 春日山原始林は比較的気軽にハイキングをすることができるスポットして親しまれていますが、間違ってもそこは「山」です。ドライブウェイから山道に入った所にあるスポットへも、石が転がり、木の根が這い、段差もある「山道」そのものです。また、ヒルの生息も確認されておりハイキングには「山に入る服装」で行くことを強くお勧めします。

◎ドライブウェイから分岐するスポットも含め「山に入る服装」で。

◎ヒルや蜂などの有害生物も生息しています。

立入禁止には入らないで

 大手の地図も含め立入禁止の管理用道路や、現在は解放されていない山道も道として記載されている場合がありますが、「立ち入り禁止」の看板がある道には立ち入らないでください。また山道、遊歩道以外の部分は非常に危険であり怪我に繋がる恐れがあります。

◎立入禁止場所には入らないで。

◎山道、遊歩道から逸れないで

天然記念物を守る

 春日山原始林は世界遺産、天然記念物に登録されている人類のかけがえのない遺産です。山中での動植物の採集は禁止されています。また火気の使用は厳禁です。

◎動物、植物は採らないで。

◎火気厳禁

>>奈良公園事務所公式 禁止事項

※春日山原始林は都市公園奈良公園です。

春日山原始林の地図

 当サイト筆者が作った春日山原始林の地図です。ご参考になれば幸いです。

尚、ベースとなる地図を加工しているものの、一部手作業による加筆もありますので正確に描いているものではありません。またカーブは直線で描いている部分もあります。春日山原始林内それぞれの位置関係の理解にお役立てください。

 

※「交番所」は警察の交番ではなく、山の管理に場合によって使用される建屋の事で無人の時もあれば有人の時もあります。

 

【参考距離(片道)】

▶奈良交通破石バス停~高畑側遊歩道入口=約1km

▶高畑側遊歩道入口~芳山交番所=約4km

▶滝坂の道入口(飛鳥中学校)~ドライブウェイ合流地点=約2.5km

▶芳山交番所~鎌研交番所=約3km

▶春日大社側遊歩道入口~鎌研交番所=約3km

▶奈良交通東大寺大仏殿・春日大社前バス停~春日大社側遊歩道入口=約1km

登山道の入口

※この下のgooglemapでは遊歩道含む山道が現状と異なっています。奈良市内全体と各入口の位置確認程度でご利用ください。

奈良奥山ドライブウェイ

この地図の凡例

黄緑線…「新若草山自動車道」

オレンジ線…「春日奥山道路」

 (矢印方向に一方通行)

紫線…「高円山ドライブウェイ」を含む相互通行区間

 

 

>>公式サイト

 

 「奈良奥山ドライブウェイ」は若草山や春日山原始林を走行できる有料のドライブウェイです。

 

上の画像地図にあるように

「新若草山自動車道」

「春日奥山道路」

「高円山ドライブウェイ」

の3つの道路を総称して「奈良奥山ドライブウェイ」と呼ばれています。

 

 そのうち、「春日奥山道路」はほとんどが未舗装で、歩行者の経路と重複しています。また一方通行であることから、この区間を走行したい場合には注意が必要です。

 

 尚、「新若草山自動車道」「高円山ドライブウェイ」は歩行者は歩行できません。

 

ドライブウェイのコース

 3つの道路を使用して、3つのコースが設定されています。利用者は目的地や走行したい道路が組み込まれているコースを選び、そのコースの起点となる料金所から奈良奥山ドライブウェイを利用します。

【新若草山コース】

…若草山往復

春日山原始林エリアには行けません

東大寺北側の料金所から若草山山頂に行き、再び東大寺北側の料金所に戻る往復コースです。

このコースは「新若草山自動車道」の往復となります。

(上のマップ【A】→【B】→【A】の往復)

 

【奈良奥山コース】

…全線走破

東大寺北側の料金所から若草山頂、春日奥山道路、高円山を経由し、高円山料金所へ降りる全線走破コースです。

「新若草山自動車道」→「春日奥山道路」→「高円山ドライブウェイ」の全線制覇となります。

(上のマップ【A】→【B】→【C】→【D】の全区間走破)

 

【高円山コース】

…地獄谷往復

高円山側の料金所から「高円山ドライブウェイ」を通り、地獄谷周辺の駐車場の先しばらく行った場所のUターン場所まで行き、再び高円山側の料金所へ戻るコースです。

(上の画像マップ【D】→【C】→【D】の往復)

春日山遊歩道

春日山遊歩道(北側)

 春日大社の北側から若草山山頂に至る遊歩道です。奈良公園の管理用自動車も通行できる比較的歩きやすい遊歩道です。若草山閉山期間中も若草山に登れる遊歩道です。

春日山遊歩道(南側)

 高畑から地獄谷付近の芳山交番所に至る遊歩道です。奈良公園の管理用自動車も通行できる比較的歩きやすい遊歩道です。平行する滝坂の道に比べても歩きやすい遊歩道です。


鶯の滝周辺のスポット

鶯の滝周辺の様子、感想

 「春日奥山道路」から大原橋で分岐した先に3つのスポットがあります。

 木が生い茂る山中にスポットがあり、駐車場があるため自動車でもアクセスすることができる場所となっています。駐車場を挟んで東西に3つのスポットがありますが、駐車場からはどちらも未舗装の道や坂や階段を伴う山道なので、サンダルや半袖半ズボンなどでの来訪は避け、「山を歩く格好」での散策をお勧めします。

 

 尚、ドライブウェイから鶯の滝周辺にある駐車場までは、車1台がやっと通れる幅の細い未舗装道路が続いているのみで、対向できませんが双方向通行の道路です。

 

鶯の滝

 佐保川の源流で滝の音が鶯の鳴き声に聞こえるようだと名付けられた滝は江戸時代からの名所です。

興福寺別院歓喜天

 鶯の滝近くの駐車場から階段を上がった先にあります。現在は鐘楼を中心にいくつかの構造物が残されています。


白滝神社

 鶯の滝近くの駐車場から歓喜天に行く道の途中を右に行った場所にある神社です。


春日奥山道路沿線のスポット

春日奥山道路沿線の様子、感想

 春日奥山道路は「奈良奥山ドライブウェイ」の自動車コースと、歩行者の散策コースが重なる部分となり、それぞれ歩行者や自動車に気を付ける必要があります。

 ほとんどが未舗装のルートとなっていますが、あくまで自動車が走行できるような状態の道路となっています。

 次の2つのスポットは春日奥山道路を自動車で走行したり、歩行していると出会うスポットです。スポット同士は距離があり一体的に見物できるものではありませんが、春日奥山道路のチェックポイントとして紹介します。

 尚、春日奥山道路沿線ではここ以外にもスポットがあります。詳しくは地図をご覧ください。

 

花山の背地蔵

 由来などの情報は少ないですが、春日奥山道路沿いにあるお地蔵様です。

大原橋/世界遺産の碑

 春日奥山道路から鶯の滝に行く道の分岐点にあるのが大原橋です。たもとに世界遺産の登録記念碑があります。


地獄谷新池周辺のスポット

◆◆ご注意◆◆

「滝坂の道」から「春日山石窟仏」に直接登る経路は通行止めです。

(奥山道路を経由する必要があります。)

地獄新池谷周辺の様子、感想

▶散策のポイントと難易度

 地獄谷新池周辺に点在するスポットです。あくまで「点在」するのであって、集合しているわけではなく、なおかつスポットを結ぶ道は「山の道」であることに注意が必要です。参考距離は以下に記していますが「うろうろしていると」結構な距離の山中を歩くことになります。

 地獄谷新池周辺のスポット巡りは、駐車場もありますので春日山原始林を麓から歩きたくないけれども、雰囲気を楽しみたい、少し長い山道を歩いてみたい方にお勧めのスポット巡りとなっています。また、足をのばして下の項目にある「地獄谷石窟仏」と共に巡ることもオススメです。

 

▶ドライブウェイ利用の場合

 地獄谷新池に向かう山道の入口にドライブウェイの駐車場があります。(駐車場から新池は山道を500m)この駐車場には若草山側からの「奈良奥山コース」と、「高円山コース」両方の料金所からアクセスできます。

 

▶散策の注意点

 ドライブウェイ駐車場からの経路を含む各通路は石が転がり木の根が這い、まれに崖沿い、キツイ坂がある完全なる「山道」です。サンダルや半袖半ズボンなどの服装は避け「山に入る格好」で来訪されることをお勧めします。

 

 

(参考距離)

首切り地蔵~ドライブウェイ駐車場 約500m

首切り地蔵~春日山石窟仏 約600m

 

首切り地蔵

 滝坂の道沿いにあるお地蔵様。鎌倉時代の作品とされ首元に亀裂が走ります。剣豪荒木又右衛門が試し切りしたとの伝説もあります。

地獄谷新池

 地獄谷園地にある池。池の周囲を一周することができます。尚、この池の水は地下タンクに防火用として送水され春日奥山道路を経由し若草山に防火として送水されています。


春日山石窟仏

 穴仏とも呼ばれています。平安時代の作品とみられ大きく分けて東西に二つの窟から成ります。


地獄谷石窟仏

◆◆ご注意◆◆

「地獄谷石窟仏」から「石切峠」方面へと向かう山道は通行止めです。

▶散策のポイント

 先ほど紹介した「地獄谷新池」から約1.1km程、山道を歩いた場所にあります。新池からと地獄谷石窟仏を往復する場合、途中にドライブウェイを横断します。体力に自身のある方は先ほど紹介した「地獄谷新池」周辺のスポットと共に散策することもオススメです。

 

▶ドライブウェイ利用の場合

 地獄谷石窟仏に向かう山道の入口にドライブウェイの駐車場があります。この駐車場には若草山側からの「奈良奥山コース」と、「高円山コース」両方の料金所からアクセスできます。駐車場から地獄谷石窟仏は山道を約600m歩いた場所になります。

 

▶散策の注意点

 ドライブウェイ駐車場からの経路は石が転がり木の根が這い、まれに崖沿い、キツイ坂がある完全なる「山道」です。サンダルや半袖半ズボンなどの服装は避け「山に入る格好」で来訪されることをお勧めします。

 

地獄谷石窟仏

 平安時代の作品で聖人窟とも呼ばれます。釈迦如来、薬師如来、十一面観音、如意輪観音、阿弥陀如来坐像、千手観音が彫刻されています。


旧柳生街道/滝坂の道のスポット

◆◆ご注意◆◆

「寝仏」を除き、崖の上にある仏様です。

崖に登ることは非常に危険です。

「滝坂の道」からの拝観に留めてください。

※当サイト使用の写真は「滝坂の道」から撮影したものです。

旧柳生街道/滝坂の道の様子、感想

 高畑地区から先ほど紹介した「首切り地蔵」を通過し柳生方面へと抜ける道の一部を紹介します。高畑から柳生までの全体を「旧柳生街道」、その中で奈良市街から見て前半を「滝坂の道」、また「東海自然歩道」にも指定されていることから複数の名前を持ちます。

 

 高畑側の入口から奥山道路までは全体的に石畳の道が続いており、道中に点在する以下のスポットを巡りなから、先ほど紹介した「首切り地蔵」に到着することになります。

 

朝日観音

 朝日の方角を向くお地蔵様で、彫刻されている3の仏様のうちそれぞれ鎌倉~室町時代の作品です。想像以上に大きく街道沿いに非常に目立っています。

夕日観音

 夕日が照らされると美しいことからそう呼ばれています。滝坂の道から崖の上にありますので、写真を参考にして探してみてください。


滝坂三体地蔵菩薩磨崖仏

 滝坂三体地蔵とも。南北朝時代の作品とされています。案内看板は特にありませんが夕日観音の案内板がある場所から拝観できます。

寝仏

 室町時代の作品で、崖の上にいらっしゃった仏様が転がり落ちて寝ている状態になったと言われています。街道を背にして裏側に彫刻されています。


滝坂四仏

 仏像岩四仏とも。観光案内などにはほとんど記載が無い知る人ぞ知る仏様です。案内看板もありませんが写真を参考にして探してみてください。

滝坂地蔵

 鎌倉時代の作品。1964年に倒木等が取り除かれ拝観できるようになりました。製作当初の姿を良く残していると言われています。案内看板は無く、夕陽観音より少し登った場所から崖の上方を見ると拝観できます。



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